皆さんこんにちわこんばんわ
千代原千代でございマス
12月に入り西高東低の冬型の気圧配置が完成してしまい
日本列島が、まるっと冷凍庫に放り込まれたような寒さが襲ってきました
いわゆる『冬将軍』ですね ウインター・ジェネラル
当面ガソリンやら灯油といった燃料は高いままでしょうから
これはなかなか堪えます
政府の石油備蓄放出の効果は、如何ほどに…
ここでタイトル確認
今日は理学療法士なのに、理学療法が出来ない、というある種の謎かけのようなお話をします
どういうことかっていうと、リハビリの内容、プログラムを適切に選択できない理学療法士さんが増えてきている、という話を小耳に挟んだからでして
そもそも理学療法を行う場合、理学療法士単体では処方できず、医師の処方箋が必要になります
その処方箋には、基本動作訓練、とかADL訓練とか、温熱療法とか大まかな方針しか記載されておらず
細かな方法は処方箋を受け取った理学療法士が煮詰めていくケースがほとんどです
この時に全く見当はずれな治療を選択してしまう理学療法士が最近多くなりました、ということです
これって結構大変な事なんですよね
例えば、病気に対して薬を処方する時、効果が無いものや、むしろ悪い方向に働いてしまうものが誤って選択されることはありません。もしあったとすれば、それは医療ミスと呼ばれるものです
しかし理学療法の処方においては、それに近いことが起こりえます 有効でない治療やかえって症状を悪化させてしまうリハビリが行われてしまうケースが増えてきたそうで…
理学療法士は当たり前ですが、国家資格を持った有資格者です
ではなぜ、こういった適切でない理学療法が選択されてしまうのか?というと
きちんと評価をして問題点を抽出して患者像を捉えていないからです
業界用語では『統合と解釈』が出来ていないって言うんですけどね
簡単に説明すると
ある患者さんが歩けない、とします。この時まず
歩行を観察し、どの相(タイミング)で失敗しているか
正常な歩行と比較し、どこがどの方向に問題のある動き(関節運動や筋肉の収縮)をしているか
その問題のある動きは歩行に運動学的にどのような悪影響をもたらしているか
問題のある動きがなぜ(どの機能障害が原因で)起こっているか
という形で『何故』を掘り下げていきます
さらに問題のある動きの原因が理学療法によって治療可能なものであるかどうか
問題のある動きの原因がどれくらいの期間で治療できるか
という順序で私は考えています
いわゆるトップダウン型の思考ですが、これが一般的と思いますね
ある程度のあたりをつけてから、関節可動域や筋力、感覚や反射といった理学療法評価を行いますが、これらは自分が立てた仮説の検証、裏付けとなります
ここまでで初期評価(Initial Evaluation)が終了し、治療すべき箇所が機能障害レベルで落とし込まれていきます
*機能障害とは、身体の構造または生理的・心理的機能の喪失または異常のことである。 機能障害分類の活用のための説明: 機能障害分類は主要には身体、身体の一部または身体システムのレベルでの喪失や異常に関連している。 組織、細胞、細胞の部分または分子のレベルの問題は含まない
この一連の流れを文章でまとめると『統合と解釈』となる、と私は考えております
この後に実際の問題点に対して治療プログラムを立案します
理学療法士は患者さんを適当に運動させたり、思い付きで治療しているわけでは決してありませんワ
次回以降に続くんじゃ
ちなみにこの統合と解釈はほとんどすべての学生がレポートを作成の際、苦手とする項目である
治療プログラム立案は、『統合と解釈』には含まれない、けれども『考察』には入ってくる、と思いますワ
簡単じゃろ? 理学療法の実習生諸君! これが書ければ実習とか恐るるに足らずデスヨw
まあ実際にはこの一連の流れが理解できていない、もしくは実行できない人が結構な数いらっしゃるので、結果として、理学療法士がリハビリを適切に処方できない現状が生まれているのですよ
じゃあ、何でそのようなことになっているのかな?っていうのを次回でお話してみようと思います
珍しく真面目なお話だなあ